私のお気に入り絵本 ~vol. 12 福岡県絵本コンシェルジュ石井美幸さん~
- 2021/12/1
様々な方の「お気に入り絵本」「おすすめ絵本」をご紹介するシリーズ。
第12回目は、福岡県絵本コンシェルジュとして、大野城市などでボランティア活動をされている石井美幸さんに伺いました。
てぶくろ
ウクライナ民話
エウゲーニー・M・ラチョフ 絵
うちだりさこ 訳
福音館書店
おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミが住みこみました。そこへ、カエルやウサギやキツネが次つぎやってきて、「わたしもいれて」「ぼくもいれて」と仲間入り。手袋はその度に少しずつ大きくなっていき、今にもはじけそう……。最後には大きなクマまでやって来ましたよ。手袋の中はもう満員! そこにおじいさんが手袋を探しにもどってきました。さあ、いったいどうなるのでしょうか?
とうだい
斎藤倫/文 小池アミイゴ/絵
福音館書店
岬に一本、灯台がたちました。生まれたての灯台の前に、漁船や客船や、魚や鯨が毎日行き交います。みんな知らないどこかから来て、どこかへ行くんだ……。そんな灯台のところへやってきたのは渡り鳥。彼らから遠い国の驚くような話をたくさん聞いた灯台は、自分はどこにも行けないことを痛感します。そしてふたたび訪れたある冬の日のこと、灯台は大嵐に襲われます。吹きすさぶ雨風のなか、灯台にできることとはいったい……?
かおかおどんなかお
柳原良平/作
こぐま社
楽しい顔、悲しい顔、笑った顔、泣いた顔、いたずらな顔…。さまざまな顔の表情を大胆にデフォルメして切り絵で表現した“表情の絵本”。赤ちゃんはもちろん、幼児も絵本を見ながら百面相をして楽しんでいます。
3びきのかわいいオオカミ
ユージーン・トリビザス/文
ヘレン・オクセンバリー/絵
こだまともこ/訳
冨山房
「3びきのこぶた」をすてきにひねった愉快なお話。あちこちで話題になり、幼稚園や小学校でも子どもたちが劇にして楽しんでいます。犯罪学者と人気画家のコンビよる、極上の絵本です。
すごいね!みんなの通学路
ローズマリー・マカーニー/文
西田佳子/訳
西村書店
世界のさまざまな地域に住む子どもたちは、どうやって学校に通っているのでしょう。
てくてく歩いて?
バスや車に乗って?
学校まで、とても遠い道のりを歩かなくてはならなかったり、自分の机や、飲み水の入った重いたらいを、運んでいかなければならないこともあります。
本書には、自然災害や、川の急流、けわしい山道、高いがけにも負けず、毎日懸命に学校へとむかう世界中の子どもたちの写真を収めました。
「学ぶのは楽しい」、「友達にも会える」、「だから学校へ通うんだ」……そんな彼らの気持ちが伝わってきます。
そして、そのひたむきな姿は、私たちに勇気と元気を与えてくれます。
巻頭にはノーベル平和賞受賞、マララさんの写真を収録。
天女銭湯
ペク・ヒナ/作 長谷川義史/訳
ブロンズ新社刊
少女・ドッチのすむ町には、ふるーい銭湯があります。
ともだちはみんな、新しいスパランドに行くけれど、ドッチは、大好きな水風呂と、あかすりのあとに買ってもらえるヤクルトをたのしみに、きょうも長寿湯にかよいます。
いぬかきしたり、水泳選手の真似をしたり、水風呂で遊んでいると…
「なんや、このばあちゃん どっから でてきたん!」
はごろもをなくしたという、天女があらわれた!
今回教えてくれたのは
福岡県絵本コンシェルジュ
石井 美幸さん
双子のお子さんを育てた先輩ママ、石井さん。福岡県主催の絵本コンシェルジュとして、大野城市ブックスタートボランティア、大野城市立大野南小学校読み聞かせボランティア、おはなしぽけっとなどで活躍中です。
【絵本コンシェルジュとは?】
福岡県が主催している養成講座で、乳幼児期の読み聞かせに関する知識や技能を身に付けた修了者を「絵本コンシェルジュ」といい、福岡県に登録されます。
絵本コンシェルジュは、子育て支援センターや子育てサロン等で、乳幼児とその保護者が集う場所で読み聞かせをしたり、年齢にあった絵本の選書方法や読み聞かせの大切さを話したりします。また、各公立図書館での研修時の講師や読書ボランティア研修での助言等、読書ボランティアの資質向上を支援します。