【子育てインタビュー】ファザーリング・ジャパン九州 森島孝さん
- 2020/9/1
パパの意識が変われば夫婦も子どももみんな笑顔に!
仕事で多忙な日々を送る中、体調を崩して入院し、夫婦の危機に直面。改善をはかろうと奮闘して時にファザーリング・ジャパンに出会う。パパ友コミュ二ティーのなかで父親の意識が変われば夫婦や家族関係が改善できることを体感し、現在は自らそのコミュニティーの拡大、啓発活動に携わるファザーリング・ジャパン九州の森島孝さんにお話を伺いました。
Q1.家族のピンチに直面したとのことですが、どのようにして乗り越えられたんですか?
もともと僕も、家事・育児に関しては女性がするもの、男性は外で働くものだと思っていたので、子どもが生まれてからも、家のことは何もせず仕事ばっかりの日々でした。そして体調を崩し、3ヵ月入院。半年間仕事をお休みする事態に。
そこで初めて夫婦間の大きな溝と、離婚の危機が訪れていることに気付きました。その前から多少の距離はあったものの「そんなものかな」と思っていて、妻の不満には全く気付いてなかったんです。
そんな時にファザーリング・ジャパンに出会い、意識を変え、行動を変えたら、少しずつ夫婦関係が良くなっていきました。改善しようと思い立ってから、関係が修復するまでに約2年かかりましたよ!なんせ妻は脳内離婚をしていたくらいでしたから(笑)。
最初は話し合いをしても、「何を今さら」という感じで話を聞いてくれません。妻の本音を聞き出すまでに苦労しました。途中何度もめげそうになりましたが、あきらめず対話を繰り返し、やっと妻のこれまでの不満が聞けたんです。それを出し切った後に、本音で冷静な話し合いをすることができました。
信頼を回復するには時間がかかりますね。でも現在は月1回夫婦で出かけたりなど、円満な関係を保てています。
Q2.夫婦円満になるために具体的にどうしたらいいですか?
夫婦で「本音で話す時間をとる」ことです。何かをしている時のついでではなく、きちんと時間をとって、かしこまって話すこと。そうすると男性はちゃんと話を聞きます。そして「夫婦で仲良く暮らしたい」という思いを伝えた上で、家族の悩みや今我慢していること、改善点などを話していく。
女性はよく「察してよ」と言いますが、そもそも男性は気付きにくいもの。言われないとわかりません。「何かやってよ!」と感情的に言うのではなく、「皿洗いをやってほしい」と具体的に言ってあげたらいいと思います。
夫と家事や育児の話をすることで、”ちゃんと”しなければならないと思っていたことが、実は誰もそこまで求めていなかったということがわかります。そうすることでちょっと肩の力を抜くことができたり、「あ、ここまででいいんだ」と落ちつくことができると思うので、お互いどこまでやってほしいのか、夫婦で本音で話しあうことが大事です。
パパの意識改革が子育てにも影響しますか?
両親の仲が良い姿を見せることが、どんな教育よりも子どもにはいい影響を与えます。うちの子は中学生、小学生の男の子2人ですが、超自己肯定感が高いです(笑)。日頃からパパが率先して家事をする姿を見ているので、子どももちゃんとお手伝いをしてくれます。
あと、子どもの前ではネガティブなことを言わないようにしています。夫婦仲を修復したいと始めた行動が、結果的に子どもにもいい影響を及ぼし、家庭全体の雰囲気がよくなりました。
自らの経験を通して、行動を変えたらうまくいくようになること、そしていつからでも遅くはないということを、もっとたくさんの今からの若いパパに伝えていきたいです。
ファザーリング・ジャパンの主な活動
父親の家事・育児のお手伝いなどの父親支援事業。
セミナーや講演会、SNSなどのパパ友コミュニティを通して、情報交換したり、ワークショップやイベントなどで、ただ男性に家事、育児をしましょうではなく、せっかく父親になったのだから、自ら楽しんで主体的にやりましょうという啓発活動を行う。
また各行政などと協業して、パパママ向けの講座なども実施したり、「イクボス」事業で企業研修なども行う。