【2021年春号】子育ての悩み相談室~「子どもが言うことを聞いてくれない」「あふれる子育ての情報、何を信じればいい?」

先生の紹介

石田勝紀(いしだ かつのり) 先生
『一般社団法人 教育デザインラボ』代表理事。学習塾の起業・経営や私立中高一貫校の経営・教育改革を通じ3500人以上の生徒を直接指導。その経験で得た教育ノウハウは全国のママたち、教育関係者にも支持され、講演会やセミナーなどを通じて5万人以上の子どもたちを指導。『東洋経済オンライン』での長期人気教育連載コラムは累計9100万PVを記録!

『東洋経済オンライン』で執筆の教育連載コラムが人気の石田勝紀先生。講演会やママ向けの勉強会(Mama Cafe)、執筆活動など幅広く活動する教育専門家です。そんな石田先生に、「なかなか子どもが言うことを聞いてくれない」「子育て情報、何を信じればいい?」など、ママのお悩みについて今すぐ役立つアドバイスをいただきました!

≪お悩み その1≫ 5歳の子どもがいますが、毎日言うことをきかなくて困っています。朝、保育園に行く時間になるとゲームをやりだしたり、寝る時間なのにいつまでも寝ないで遊びたがったり…。そんな子どもに感情的になってしまうこともあります。どのようにすれば、言うことを聞いてくれるようになるのでしょうか?(年長・男の子のママ)

A.とてもよくあるケースです。同じぐらいの年齢のお子さんがいる家庭では、このようなことは日常茶飯事であることでしょう。そもそも、親の言うとおりに
「きちんと」やる5歳児がいるのか、はなはだ疑問ですが、親はどうしても自分の思いどおりにならないとイライラしてしまうこともあります。それはとくに異常なことではなく、極めて一般的な反応です。強引に言うことを聞かせる、子どもに共感しつつ自発的に行動するよう促す、そのまま放置する、などその後の子どもへの対応は家庭によってはさまざまで、どの対応が正しいか、間違っているかと判断することは容易ではありません。
子どものタイプ、親のタイプによって方法はさまざま異なるため、一様に「この方法をされるといいですよ」と答えることはできないからです。しかし、解決策がないわけではありません。

今回の相談の問題は、「子どもが言うことを聞いてくれないこと」のように思えますが、そこに問題があるのではなく、「親が困ってしまい、イライラしてしまうこと」にあるのではないでしょうか。つまり、子どもの問題ではなく、親のあり方の問題かもしれないのです。
そこでご質問の回答を端的に先にお伝えしておきましょう。今の状態を変えたいのであれば、「子どもに言うこと聞かせる方法を求めるのではなく、『親の考え方』自体を変える」ことをお勧めします。
「親の考え方が変わる➡親の感情が変わる➡子どもへの声かけや態度が変わる➡子どもが変わる➡親の気持ちがさらに変わる」というサイクルを知ることです。出発点は「親の考え方が変わる」です。「今、目の前にいる5歳の子どもとの関係は、今しか経験できません。つまり来年は6歳になってしまうため、5歳のこの子の状態は今しか経験できないということです。子どもは心身ともに成長し続けているので、来年は今とは違った子どもになっているからです。この二度とやってこない5歳のこの子の『今』をどう思いますか?」
二度と経験できない、現時点での子どもとの関係を大切にしようと思うようになれば、普段とは違った感情が出てきませんか?今を大切にしようと思うことでしょう。すると、感情は落ち着いてきます。親の感情が落ち着いてくると、子どもへの声かけや態度が自然と変わってきます。すると、子どもが変わり始めることがあります。
100%成果を保証するものではありませんが、子どもはこれまでと違った反応をすることが少なくないという報告を数多くもらっています。ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。

≪お悩み その2≫ママ友たちとの話の中で、子育てや教育の話になることがありますが、その情報に振り回されてしまいます。褒めて育てることが大切と言われたり、褒めないほうがいいと言われたり真逆の情報が入ってくることもあり、そのたびに揺れ動く自分がいて何が正しいのかよくわからなくなってしまいます。何を信じたらよいでしょうか。(年少・女の子のママ)

A.情報を知れば知るほど迷いが出て、情報の取捨選択ができず、あれもこれもと受け取ってしまうのでしょうか。
(1)正解を探してしまう
→ 子育てに絶対の正解はないのですが、正解があると思ってしまう
(2)自分の考えに自信が持てない
→ 権威的情報(メディアに記載された情報、著名人、学者による発言など)が絶対的に正しいと思い込んでしまう
(3)焦りを感じてしまう
→ ほかの子、兄弟姉妹間で「比較」をしてしまうことで焦りの感情が出てきて、なんとかしたいという気持ちで、わらにもすがる思いになってしまう

そこで、あふれる情報に振り回されず、自分軸で判断できるようになる3つのアプローチをご紹介します。

<あふれる情報に振り回されず、自分軸で判断できる3つのアプローチ>

1)価値観には正解がないことを知る
価値観にはそもそも正解がないため、自分はどう思うか、自分はどう感じるかというだけの話です。人の価値観に無理に合わせる必要もありませんし、自分の価値観を人に強要する必要もありません。

2) 俯瞰的な視点で見てみる
目先の状態で判断してしまうと表面的な情報に振り回されることがあります。例えば、「子どもがゲームばかりで勉強しない」という状態にあったとき、「ゲームをやめさせて勉強させる」ことに意識が向かい、塾や家庭教師の情報に目がいくかもしれません。
それでうまくいくこともありますが、もう少し俯瞰的な視点で見るとこうなります。「この子の長所や才能は何だろうか? それを伸ばしてあげることが重要ではないだろうか」と。すると、いきなり勉強をさせるという行動を取らずに、子どものよい点、伸びそうな点を見つけ、伸ばそうとします。

その結果、自己肯定感が高まり、「勉強はやらなければならないこと」と自覚している子は、自ら勉強するようになる。そんな事例は枚挙に暇がありません。これが俯瞰的に見てみるということです。こうすると表面的な情報に振り回されることはぐっと少なくなります。

3)「単なる情報、試してみる情報、振り回される情報」を区別する
世の中に流布している情報を区別していきます。大きく3つに分けていくといいでしょう。1つ目は、「単なる情報」です。例えば、「小学生の教科書にQRコードが入って、グループワークが中心になるらしい」というのは単なる情報です。
『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)
2つ目は「試してみる情報」です。前述した、褒めるのがいいのか、褒めないのがいいのかという話でいえば、迷うのであれば、両方を試してみます。試してみた結果、自分に合うやり方を選択すればいいでしょう。
そして3つ目は、直接的に自分たちに関係がないにもかかわらず、「振り回されてしまう情報」です。もし自分が振り回されていてつらいと感じたら、その情報はばっさり捨ててしまいましょう。自分には関係がないこととして。いわゆる情報の断捨離です。自分の価値観に合うもの、興味があることは試してみて、不安を感じることや自分に合わない情報は、思い切って捨ててしまえばいいのです。

以上、簡単にですがアプローチを紹介しました。ここで紹介したこと自体も「情報」です。ですから、ここで紹介したことをすべてやる必要はありません。興味、関心が出たこと、やってみたいと感じたことだけを試してみてください。

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