【2021年夏号】子育ての悩み相談室~「幼児期のお勉強効果はいつまで続く?」「子どもの才能が伸びる習い事は?」

先生の紹介

石田勝紀(いしだ かつのり) 先生
『一般社団法人 教育デザインラボ』代表理事。学習塾の起業・経営や私立中高一貫校の経営・教育改革を通じ3500人以上の生徒を直接指導。その経験で得た教育ノウハウは全国のママたち、教育関係者にも支持され、講演会やセミナーなどを通じて5万人以上の子どもたちを指導。『東洋経済オンライン』での長期人気教育連載コラムは累計1億PVを記録!

『東洋経済オンライン』で執筆の教育連載コラムが人気の石田勝紀先生。講演会やママ向けの勉強会(Mama Cafe)、執筆活動など幅広く活動する教育専門家です。そんな石田先生に、「幼児期の勉強、させたほうがいい?」「子どもの才能が伸びる習い事は?」など、ママのお悩みについて今すぐ役立つアドバイスをいただきました!

≪お悩み その1≫ 幼稚園時代はのびのび遊んで過ごした方が、後々学力が伸びると聞き、お勉強が一切ない幼稚園を選びましたが、最近、お勉強系の幼稚園に通うお友達と遊ぶ機会があり、足し算や引き算、漢字も読めるようになっていて、同じ歳なのに、こんなに差があるのかと焦りが出てきました。実際に小学生になった時に、学力に差が出て、その状態はずっと続くのでしょうか?今のうちから家庭や塾で勉強をさせた方がよいのでしょうか?(年中・女の子のママ)

A.私は“子どもが楽しんでやっているのであれば”幼少時に勉強をすることを否定しません。しかし、絶対に必要であるかどうかというと、「必ずしも必要があるとは思わない」という意見です。幼児教育をやった場合、ある一定の効果があるのは間違いなさそうですが、その後の高校や大学受験での成功につながるかというと、それとこれとは別のように思うのです。私が主宰していた学習塾で誰もが知る有名な学校に進学した子が小学校入学前のときにどうだったのか?という点を見てみると、以下のような共通点がありました。

1.小学校受験をするための勉強はしていない
2.野球、水泳、ピアノといった習い事は何かしらしていた(勉強だけに集中していたわけではない)
3.生活習慣に関して、家庭でしっかりと教えられている傾向がある
4.友だちとたくさん遊んでいる

発達心理学の分野でも、難関大学に合格した人の小学校入学前では、「思いっきり遊ぶ」「絵本を読み聞かせ」「好きなことに集中する」ということが共通していると言われています。いわゆる伸びる子たちは、勉強をやってばかりの幼少期を過ごしてはいないのです。

それでもやるなら、何に留意すべきか

おすすめしたいのは勉強の基礎・基本、つまり“読み・書き・そろばん”です。読みは、絵本を使った読み聞かせを、書きは、ひらがな、カタカナや簡単な漢字の練習がいいでしょう。それらを「楽しんでやれるようやり方を工夫する」のです。“そろばん”は習い事に通うのもいいでしょうが、足し算や引き算といった計算をドリル学習として毎日1枚こなすことを習慣にしていくのでもいいでしょう。大事なのは勉強そのものより、習慣化させることです。日常の中で勉強を習慣化させることができれば、長いスパンでみたときに大きな力となります。

≪お悩み その2≫子どもが年長になり、何か習い事をさせたいと思っています。せっかくなら、子どもの才能が伸びるものをと思っていますが、どう選んだらいいでしょうか。また、始めても途中でやめたいと言った場合、親はどう対応したらいいでしょうか。(年長・男の子のママ)

A.判断基準は子どもがやりたいかどうかです。
1)子どもが「やってみてもいい」と思う
子どもの感性や性格に合うかどうか、まずは体験レッスンなどを利用し、子どもが「やってみてもいい」という気持ちが出てくれば、子どもの感性と一致している可能性が高いでしょう。
2)才能を伸ばすことを目的にしない
これを目的にすると親は子どもが伸びているかどうかを見てしまい、過度なプレッシャーを与えたり、教室への不信感で親のイライラが増えたりすることもあります。「子どもの才能を伸ばす!」ではなく「幅広い体験、経験をさせてあげよう!」という感覚で始めると、子どもは習い事を楽しむようになり、結果として才能が開花していきます。
3)誰が指導してくれるのか?
習い事は「何を学ぶか」よりも「誰に学ぶか」がはるかに大切です。とくに感受性の強い子どもは、「誰が教えるのか?」が極めて重要です。

途中で「行きたくない」と言い出してしまった時、親はどう対応するか

1)一時的な理由で「行きたくない」場合
先生に怒られた、友達とケンカしたなど、一過性の問題で、その習い事自体が嫌いになっているわけではないため「さっさと行っておいで」と勢いで行かせてしまいます。
2)毎回「行きたくない」と口にする場合
駄々をこねるように何度も言う場合、「わかった。そんなに行きたくないなら、やめよう!」と言ってみてください。親がやめないように説得してくる“期待”を裏切るのです。すると、子どもは「行く」と言い出すことがあります。
3)習い事への興味関心がなくなっている場合
この場合は基本的にやめさせます。心が離れている段階では、もはや継続しても意味がほとんどないからです。継続も大切ですが、複数の習い事を浅く広く「経験する」ことで、その後の人生に役立つということもよくあることです。

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