Q　チョコレート嚢腫(子宮内膜症）がありますが妊娠できますか？

A不妊の原因になることもありますので、検査後、医師と相談するとよいでしょう。

卵巣チョコレート嚢腫では、大小に関わらず、卵巣周囲に内膜症病変を認め、周囲の臓器と卵巣卵管が癒着していることがあります。この場合、卵管閉塞などにより、不妊の原因になることがありますので、なかなか妊娠しない場合は子宮卵管造影検査をして、卵管疎通、卵巣周囲の癒着の有無を確認した方がよいでしょう。卵巣周囲の癒着があれば、腹腔鏡で、癒着剥離をし、卵管が閉塞している場合は、マイクロサージェリーで卵管を開通させます。一般的に、径4~5㎝を超える大きな卵巣嚢腫ではまずエコー検査やMRI、腫瘍マーカーで卵巣がんを否定する必要があります。良性の場合では経過観察しますが、定期検診は不可欠です。一方、径6㎝を超えると「卵巣茎捻転」という卵巣嚢腫を含む卵巣全体が捻じれて、激烈な痛みを伴い、緊急手術をしないといけない場合があります。また、手術が遅れて、卵巣が壊死した場合は、卵巣全体を摘出しないといけませんので、手術の時期に関して慎重な検討が必要です。一方、卵巣チョコレート嚢腫では、上述のように腹腔内癒着のため、茎捻転を起こしづらく、また、妊娠中は内膜症病変は自然軽快、縮小するため、積極的な手術をすべきかどうかは検討しないといけませんが、嚢腫のサイズや位置によっては妊娠後期や分娩中に自然破裂を起こす場合があるため、注意が必要です。

リラックスできる待合室のそばにはキッズスペースを完備。出産後、家族と一緒に宿泊できる入院室もあります。

4名の医師と経験豊富なスタッフが安心・安全な妊娠・出産をサポート。

• お答え頂いたのは、
  青葉レディースクリニック　小松　一　理事長
• 平成7年九州大学医学部卒業。九州大学病院周産母子センター、北九州市立医療センター産婦人科、九州厚生年金病院産婦人科を経て2007年に開院。高齢出産を多く手がけており、丁寧な説明と分娩を心がける。

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